催眠用語が仕組みを隠す|上野/鶯谷デッドボール

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上野

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催眠用語が仕組みを隠す

2026/06/06 (土) 11:39:35

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こんにちは
催眠術師の上野です。

久しぶりに長い日記書きます。


催眠を語るとき、当たり前のように使われる言葉がある。「暗示」「期待(予期)」「被暗示性」「無意識(潜在意識)」。どれも催眠の専門用語として定着しているが、これらの言葉が催眠の『仕組み』を見えなくしている気がしてならない。
「暗示」は、主語を間違える。送り手が受け手に何かを仕込むという構図を作ってしまう。でも実際に予測を更新しているのは体験者の脳であって、術師は感覚的な入力を提供しているだけだ。主語が術師になってしまうから、「なぜ言葉だけで体が動くのか」がブラックボックスになる。
「期待(予期)」は、見える範囲を狭める。脳が何かを体験するかどうかは、二つの要素で決まる。ひとつは「そうなりそう」という予測。もうひとつは、実際の感覚がそれを裏づけているかどうかだ。この二つが掛け合わさって、はじめて脳は「そうだ」と判断する。ところが「期待」と呼んだ瞬間に、前者の、しかも意識的な部分だけが切り取られる。脳の予測には無自覚なものも大量に含まれているのに、そこが見えなくなる。さらに、感覚の裏づけというもう半分の要素が丸ごと消える。脳が世界をどう見ているかという式の大半が見えない状態で催眠を語ることになる。
「被暗示性」は、現象を人の属性にしてしまう。「この人は被暗示性が高い/低い」と言うと、かかるかどうかは固定的な性質の問題になる。でも予測の揺らぎやすさは状況や入力によって変わる。「被暗示性が低い人」がいるのではなく、予測が揺らぐ条件がまだ整っていないことも多い。
「潜在意識」は、ブラックボックスをもうひとつ作る。「潜在意識に届いたから催眠が起きた」と言えば説明っぽく聞こえるが、潜在意識とは何か、どうやって届くのか、届くと何が起きるのかは何も語られない。意識で説明できない部分を「潜在意識」という箱に入れて蓋をしているだけだ。
四つに共通しているのは、どれも現象を記述しただけなのに、説明した気にさせてしまうことだ。「暗示が入った」「予期が高かった」「被暗示性が高い」「潜在意識に届いた」。どれも、なぜそうなったかには一切答えていない。言葉が説明の代わりをしてしまうことで、仕組みを掘る動機そのものが失われる。
催眠が難しく見えるのは、催眠が難しいからではなく、催眠を語る言葉が仕組みを隠してしまっているからかもしれない。

楽しい催眠体験しませんか?

今日のお誘いお待ちしております❤️

上野



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